Leader’s Pick Up ~渋谷店店長 佐藤 央人~
2023年11月15日(水)、晴れる屋 渋谷店オープン。
渋谷はかつて『渋谷DCIトーナメントセンター』が存在したマジックの聖地であり、現在はビジネスとカルチャーの融合した街として大いに発展しています。
前回のインタビューでもあった通り、渋谷店は今後の店舗展開を左右する非常に重要な店舗です。
そんな渋谷店の店長に就任するのが、元吉祥寺店店長 佐藤央人(サトウ ヒロト)さん。(※2023年11月2日現在)
アルバイトスタッフ時代から数々の経験を積み、店長として店舗の売り上げを飛躍させ、今回新店店長に抜擢されました。
今回のインタビューでは、佐藤店長にキャリアアップの秘訣や新店への意気込みについて聞いてみました。
とにかく貪欲に
――本日はよろしくお願いします。まずは佐藤さんの晴れる屋でのキャリアを教えてください。
2019年に晴れる屋秋葉原店のオープニングスタッフとして入社しました。2021年に社員に登用、東京で勤務した後、昨年8月に吉祥寺店の店長に就任しました。
――マジックと出会ったのはいつ頃でしょうか?
最初に出会ったのは小学生のときです。おもちゃ屋でゲームを買ったときに見た目がとてもいかつい商品があって、当時はそれが何かわからなかったのですが、あとからマジックというカードゲームであることを知りました。ちなみに『ミラージュ』のブースターです!
――確かに小学生が初めて見たらビックリしますね(笑)
中学に上って他のカードゲームで遊んでいたところ、マジックが好きな常連のおじさんに気に入られて、デッキを貸してもらいいろいろ教わりました。
高校生になって自分でデッキを組むようになり、ますますのめり込みましたね。
『イゼットロン』というデッキをご存じですか?
安く組めつつ運が良ければ勝てるというデッキで、神河ブロックのドラゴンたちを詰め込んでました。
――最初のラヴニカの頃でしょうか、懐かしいです。
受験のタイミングで離れはしたものの、情報はずっと追いかけていまして……MTGアリーナのベータ版がリリースされたタイミングで再び遊ぶようになりました。
当時ちょうど前職を辞めて仕事を探していたところ晴れる屋が秋葉原店に出店することを知り、オープニングスタッフに応募しました。
――秋葉原店といえば晴れる屋の中でもトップクラスに忙しい店舗ですが、実際に働いてみてどうでしたか?
忙しい店でしたが、キツさは感じなかったですね。前職がアミューズメント施設だったこともあり、こんなもんだろうと思っていました。
それよりも、アルバイトだったこともあり大事な仕事を任せてもらえないというのが自分の中で結構辛かったです。
年齢的にアルバイトのままではいけないなと思っていて、入ったときから社員登用を目指していたのですが、自分はプレイしていた時期が短かく知識面がすごくあったわけではなかったこともあり、他のスタッフの中で突出した存在ではありませんでした。
――最初から精鋭揃いの店舗でしたからね。佐藤さんはどう乗り越えたのでしょうか?
まずは他の人がやりたがらない業務をとにかく貪欲に拾いにいく。
そのうえで何が一番求められているかを見極める。
このふたつを意識して立ち回りました。
面倒な仕事や難易度の高い仕事も、積極的に手を上げるようにしましたね。
そして上司が想定する仕事に対して、それ以上の成果を返すようにする。100で求められていることに120で返せば喜んでもらえるし、150で返すと一目置かれます。
これを続けていくうちに「佐藤使えるな」と思ってもらえるようになりました。
それゆえに、どんな仕事もとりあえず自分に振られるようになりましたが……(笑)。
そうして経験を積むうちに秋葉原店は特に買取の比重がとても高いことがわかり、一人前にこなせるよう勉強しました。知識を付けたり、査定が早い人にコツを聞いたり……。
最終的に「佐藤がやるのが一番早い」と言ってもらえて、嬉しかったです!
――業務処理能力の高さが評価につながったんですね。社員昇格後は仕事にどのような変化がありましたか?
店舗社員になると業務の幅がぐっと広がります。
一番の変化は会社のデータが見れるようになったことですね。
アルバイトのときは「この曜日、この時間帯忙しいな」と体感ベースだったのが、社員になって具体的な売上が見れるようになり、事実ベースでわかるようになりました。
それがとにかく楽しくて、勝手に予実管理ファイルとか作っていました(笑)。
あとはスタッフに仕事を回していくことを学びました。仕事を任せるときも「本当にそれでいいのか?」と自問自答し、データを元に根拠立てて指示を出すようにしています。
人手が足りない……!!
――秋葉原で2年、TC東京への異動も経験し吉祥寺店長へと就任されましたが、吉祥寺に来てぶつかった課題やトラブルなどあれば教えてください。
まずぶつかったのが「人手不足」です。
TC東京や秋葉原のように10人20人スタッフがいる店舗で1人休んでもなんとかなるけど、5人の店だと一気に厳しくなる。
だからこそ業務の効率化が求められるものの、自分の中ではそこがまだ整備されていないと感じました。
そこで行ったのは、業務の流れ、モノの流れを明確にし、ムダをなくすこと。
これまでに培った様々な経験を活かしてフローを作って指示を出しました。
先ほども言ったように、アルバイトはデータを持っていません。どの作業がどれくらいの利益に結びつくかが見えづらいんですよね。
例えば、店舗では在庫が特に少ないカードに独自の買取価格をつけられるんですが、アルバイトが「このカードは強いから売れるに違いない!」と高値をつけたものの、実は在庫が山のように存在したということがあったり……。
他にも店舗でオリジナルデッキを用意したのにそれを告知せず、結果誰も存在を知られない……ということもありました。
もちろん「こういうことがやりたい」という提案は非常に重要でありがたいので、自分がそれをデータで補強し、取り組むべきと思ったものはフロー化し、プラスにならないと判断したものは却下していました。
あとは接客姿勢について。
晴れる屋という会社は「お客様を楽しませる会社」です。
マジックというゲームを楽しみたくて、楽しい気持ちになりたくてお店に来てくれています。
それなのに、もしイベントが不成立だったら?
さらに、スタッフが作業的に参加費を返金対応する姿を見て、これではお客様はまた来てくれないなと思いました。
そこで「何もなしで帰ってしまうこと」は絶対に避けるために、デッキのアドバイスをしたり、フリープレイの案内をしたりと、「今日吉祥寺店に来てよかった」と思ってもらえるようにスタッフへ指示しました。
ありがたいことに吉祥寺店は素晴らしい常連のお客様に恵まれ、新規でマジックを始めた方も安心して遊べる環境になっています。
おかげで毎日たくさんのお客様に足を運んでいただき、休日は満席になるほど店舗として大きく成長できました。
「対面で遊ぶこと」の重要性
――そんな吉祥寺店を離れ11月から渋谷店店長になりますが、最初に話を聞いたときはどんな印象を受けましたか?
正直言うとあと2年くらいは吉祥寺店に腰をすえるつもりでした。(笑)
だから抵抗は少しあったんですが、店を出す経緯や規模感について聞いて、「大変だけどやりがいがあるな」と。
自分はたくさんの人たちと一緒に働くのが好きなので、そこも楽しみです。
――代表挨拶の記事でも岩田さんが「晴れる屋で5本の指に入るほどの在庫量を持った店舗」と言われていましたね。佐藤さんは渋谷店をどんなお店にしたいですか?
渋谷はターミナル駅なのでアクセス性は抜群。多くの人が行き交うエリアですが、秋葉原や池袋と比べるとTCG文化は控えめです。
それはつまり、まだまだ発展の余地が残されているということでもあります。
元”マジックの聖地”の名に恥じぬよう、晴れる屋渋谷店が新たな歴史を築いていくくらいの意気込みで頑張ります。
――続いて佐藤さんの今後の個人的な目標について教えてください。
今は一店長の立場ですが、今後は多数の店舗に経験を落とし込めるような立場になれればなと。
吉祥寺はTC東京と近いこともあって、店舗以外の部署の新規スタッフが店舗研修を受けに来ることがあります。そういうときは自分が指導役を務めていました。
実際の研修の様子はコチラ
この経験を活かして、今後晴れる屋の店舗がたくさん増えても高いクオリティをお客様に提供できるよう、自分の経験や考え方を広げていきたいですね。
――ちなみに佐藤さんは今後マジックはどうなっていくと思いますか?
いろいろ心配されていますが、そう簡単にはなくならないという確信があります。
一時はネットゲーム文化に駆逐されるんじゃないかと心配になった時期もありましたが、晴れる屋で働くようになり、深くマジックと関わることで「対面で人と遊ぶこと」は非常に重要なんだと強く実感しました。
以前TLS予選に参加した際に決勝で増田さん(※)に敗れたんですが、もうめちゃくちゃ悔しかったんですよ。
あまりにも悔しくて、数日の間仕事よりもそのゲームのことを考えていました(笑)
そこであらためてこのゲーム超面白いなと。おそらくこの経験は対面の試合でしか得られないなと思いましたね。
(※)増田 勝仁(マスダ マサヒト)さん。『日本選手権2021 SEASON1』優勝をはじめ様々なトーナメントシーンで活躍。
マジックへの造詣が深く、晴れる屋メディアに定期的に記事を寄稿している。
――とてもわかります!悔しいけどそれ以上の面白さがありますよね。では最後に、晴れる屋で働いてみたいと思っている方へメッセージをお願いします。
晴れる屋はアルバイトから出世して活躍している人がたくさんいる会社です。
「自分はカードショップに向いていないかも?」と思う方も大丈夫。長所に合わせて様々なポジションが用意されています。
まだまだ発展途上の会社なので、今入っても十分チャンスありです!ぜひ気兼ねなくご応募ください!
そしてもしインタビューを見て入ってくれたら、気軽に自分に声をかけて欲しいですね。一緒にご飯に行きましょう!
晴れる屋は現在47都道府県出店を目指してスタッフ大募集中!一緒にカードゲーム業界を盛り上げませんか?
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