現在、全国に22店舗の系列店を展開する株式会社晴れる屋。2021年11月の時点で社員アルバイト合わせて590名のスタッフが働いていますが、西日本最大級のカードショップ、晴れる屋 トーナメントセンター 大阪(以下、TC大阪)の店長を任されているのが、笹井 峰広ささい みねひろさんです。

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今回の「Leader’s Pick Up」は、バーテンダーからカードショップの店員へと異業種に挑戦し、当社でキャリアを積み重ねながらTC大阪を取り仕切る笹井さんにインタビューしました。

 

店舗をよりよくするために

――本日はよろしくお願いします。まずは笹井さんが担当している業務を教えてください。

笹井「TC大阪の店長として、スタッフのスキルアップや店舗の改善に力を入れて取り組んでいます。エリアリーダー(※)も兼任していますが、創設2カ月目でまだピンときていない部分もあります。自店舗での業務を他店まで拡大してほかの店舗のスタッフにも自分の考え方を伝えて、その上でそのスタッフにもどうしたら店舗がよりよくなるか考えてもらう…そのきっかけとなる立場だと思いますね」

(編集者注:エリアリーダーとは複数の店舗を統括するマネージャー的な役職)

 

止まり木からカードショップ店員へ

──笹井さんはアルバイトとして入社され、他店を経験することなく店長やエリアリーダーまでなられたとお聞きしていますが。

笹井「そうですね。大阪店のオープニングスタッフの募集を見て2016年12月に入社してから、今までずっといる感じです。その間に全国規模のイベントに晴れる屋がブース出店した際に出張したりと色々経験を積ませてもらって、入社後半年ほどで社員に昇格しました。2年経ち、東京から来ていたスタッフが戻られるのに合わせて店長へ就任しましたね」

──そもそもどういった理由で晴れる屋に応募したのでしょうか?

笹井「以前はカフェのバリスタを務めるなど、飲食を中心に働いてきたんですが、労働時間の長さの割に報われないと感じていました。休みも少なく、遊ぶ時間もほとんどありません」

笹井「ただマジック自体はなんとか続けていて、金曜日の仕事終わりのマジックは僕にとってほぼ唯一の楽しみでした。そんな状況で晴れる屋の募集を見たんです。ちょうど店舗で遊んでいるときだったんですが、見た瞬間に『応募するわ』と仲間内で宣言して、そのまま応募したのを覚えています」

──今でこそ晴れる屋は各地に出店していますが、当時は高田馬場と成田くらいでした。初の関東以外の出店ということで抵抗などありませんでしたか?

晴れる屋 トーナメントセンター 大阪

笹井「地元の店に愛着はあるので、多少の抵抗はありましたよ。商店街の脇にイオンができたくらいの感覚で。おそらく当時大阪の人間で晴れる屋アンチじゃない人はいなかったと思いますよ」

笹井「反面、それは晴れる屋が有力なカードショップだと認めているということでもあって。最大手だし働くならここかと決めたわけです」

──その後2年ほどで店長となられるわけですが、心境はいかがでしたか?

笹井「『店長って何やるんやろ、まあやるか。できるやろ』くらいですね。前任の店長たちがとても楽しそうに仕事をしている姿を見てきたので、店長という肩書に重い仕事のイメージはまったくなくて。やるべきことをやるかと思いました」

元大阪店店長 トロピ大塚

──笹井さんは仕事のどんなところにやりがいを感じていますか?

笹井店とか人に何が足りてないかずっと考え続ける、想像して直していくのは楽しいと思います。あとは自分がこれまで働いて受けた恩恵をみんなに共有したい。たぶん、そんな難しいことしてないんですよ。やらなあかんことをやればいいだけなので。ほかのスタッフにもなんとか伝えられたらなあと考えています」

笹井「エリアリーダーも同じです。たぶんこの店(TC大阪)は成功している方だと思うので、僕が何を考えてお店をやってるとかを伝えて、ほかの店も成功する手助けをしています。地方店が活性化することでその地域もマジック事情もよくなっていくんじゃないかなと思っていますので」

 

コミュニティを大事に

──笹井さんのマジックとのかかわり方についてお尋ねします。前職の飲食業は世間的なイメージですと土日を休めないイメージですが、どのようにマジックと関わっていましたか?

笹井「上司に相談して土曜の休みは絶対死守。土曜日は毎週ミナミ(※)のお店で遊んでいました」

(編集者注:ミナミとは、大阪市中央区の難波・心斎橋・道頓堀・千日前を中心とした繁華街の総称)

笹井「その代わり、土曜以外は休みなしという条件。まだ20代だったので無茶をしていました。金曜も朝一に出社して、頑張って17時くらいに終わらせてフライデー出てましたね。こんな生活だった気がする」

──いくら20代とはいえすごい。それほどまでにマジックにハマっていたということでしょうか?

笹井「マジックは好きだったし、カードショップにいる友達に会うのも好きでした。今もですがコミュニティを大事にしたいと思っています」

笹井「カードショップがなくてもコミュニティは成り立つと思いますが、ないと不便なんですよね。スマホがなくても生きていけるけど絶対あった方がいい、くらいの感じで。新しくつながりをもてたり、遊ぶ場所があったりと便利ですし。カードショップは自分と共通の趣味の友達を見つけられるかなりいい場所だと僕は思っています」

──MTGアリーナの普及でお店でなくてもマジックが遊べるようになってきましたが、それでも笹井さんが店舗にこだわる理由はなんでしょうか?

笹井「MTGアリーナが出て家でも遊べるようになったけど、やっぱり紙で友達とわいわいやってた方が楽しいんですよ。初対面の人とでも同じで、向かい合って会話や表情、声でコミュニケーションをとる楽しさがマジックの魅力のひとつだと思っています。マジックに限ったことではありませんが、コミュニケーションのなかでその人の想いを感じる、理解できるようになることがあると思います」

 

マジックはどんどんやって欲しい

――笹井さんが実現したい目標について教えてください。

笹井TC大阪をいつ来ても遊べる場所にしたいと思っています。いつ、誰が立ち寄っても、人がいてイベントが実施されている場所にしたい。僕がお客さんだった時は、せっかくカードショップに行っても場所がなかったり、一緒にマジックする人とタイミングが合わなくて遊べないことが多かったんですよね。その辛さがあるので、やっぱり晴れる屋はいつ来ても遊べるっていう場所にしたくて。平日に来ても、休日に来ても、1人で来ても気軽にマジックで楽しめる、開店直後から人が集まってイベントが実施できる場所を作りたいですね」

――週6勤務をされていた笹井さんの話を聞くとすごく説得力がありますね。

笹井「実体験ですが、イベント目的で遊びにいったのに参加できないと悲しいじゃないですか。だからこそ自分の店は買い物は当然として、いつでもイベントが楽しめる場所がいいなーと思っています」

――最後になりますが、晴れる屋へ興味を持った方へメッセージをお願い致します。

笹井「山下さん(※)と被る部分もありますが、想像力を持って色々考えてやってもらえる方がいいですね。ただカード整理するのが好きとか作業みたいなことではなくて、こういう風にしたらいいとか想像力をもって働いてもらえたら。ベンチャー企業なので、なんぼでも改善できることが落ちてると思うんですよ、僕らが見えなかったものが。僕もある程度それを拾ってきて店長になってるわけだし、ほかのスタッフにもそれをいっぱい拾ってほしい」

(編集者注:TC東京店長 山下 洸平)

笹井「自分が中に入って晴れる屋を変えるくらいの気持ちで動いてもらう方がいいですね。作業もダメではないが、考えられる人の方が楽しく働けるかなと。それとマジックはどんどんやって欲しいと思っています」

――といいますと?

笹井「僕はマジックが好きだから色々なフォーマットに手を出したし、フォイル集めや背景世界を知ること、全部好きだった。時間の都合もあって今はそんなにだけど。でも入ってきたスタッフにはとにかく遊んでもらってマジック自体をどんどん好きになっていって欲しい。今いるスタッフも当然好きだと思うんだけど、もっと興味を持ってほしいし好きになってほしいなと」

笹井「入った時にはスタンダードしかやっていなかったとして、1年後には統率者やモダンなどもやってカードも集めてっていう風になって欲しい。今も好きなものはそれでいいと思うけど、足りんやろと。晴れる屋に入ってくる人にはマジックを突き詰めてほしい。好きなマジックのことを知っていったら、仕事に生かせることは無限にあるんですよね。スキルとして上がる部分もある」

笹井「イベントのジャッジや初心者体験会をはじめ、生かせることって好きになればなるほど多くなっていくんですよね、このゲームや会社。それはかなりアドバンテージ。マジックを好きになるだけで仕事ができる扱いをされるので。そこをみんなわかって働いてほしいなと。だからマジックを溺愛しろと。まだ足りてないぞ、沼はまだ深いぞ、と

――マジックと地元を愛する笹井さん、ありがとうございました。

 

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